Chace's Pancake Corral チェイシーズパンケーキコーラル

「ここでいいかい?」
「あー、奥の方の席へ行ってもいい?」
「もちろん!好きな席を選んでいいよ!」


荷物を椅子に置く。「Good Morning, my name is Sara, 今日は私が担当するね。よろしく!コーヒーはいかが?あとお水もいる?」。明るく優しい声が、きっと友人に語りかける時とさして変わらないだろうトーンで尋ねる。

席につき、メニューを眺める。ここで見つけ、魅了され、以来僕の朝食メニューランキング不動の一位、エッグベネディクトの文字を見つけてニヤリ。

僕の表情を見つけたSaraが伝票と共に戻って来る。「Are you ready??」「Yeahh」。

「This one, Egg Benedict please」
「With 〜 or hashed potate?」
「hashed potatoe」
「Good choice!」

ハッシュドポテトが好きだから、ここでポテトの調理方法を尋ねられるとハッシュドポテト以外の選択肢が毎回まったく耳に入ってこないことを思い出す。

老夫婦が手を繋いで入店する姿を眺める。笑顔でスタッフと挨拶を交わす。ゆっくりと席に着く。朝日が店内を照らす。席を片す従業員の手元に思わず見惚れる。

「コーヒー美味しいね、どこの?」とおかわりのコーヒーを注ぎに来てくれたスタッフに尋ねる。「美味しいよね。ファーメルブロってとこから卸してもらってるよ」「そうなんだ、コーヒー豆買えるか調べてみよっかな」「いいね」。

音楽もラジオも流れていない。スタッフとの会話、珈琲豆の挽かれる音色、食器たちのアンサンブル、食卓を囲む夫婦の声、友人たちの語らい。それらに委ねられた雰囲気が当然のように似合う店内。人によって生まれ続ける居心地の良さ。

あっという間にエッグベネディクトを食べ終わり、もう何回注いでもらったかもわからないコーヒーを一口飲む。バスの時間を調べる。

もっと頻繁に通えたらいいのになとふと思う自分も勿論いるけれど、とても長い時間をかけて、緩やかに通い続けるお店があるというのもまた、いいものだなと思う。

レジへ向かう。会計をしていると今日言葉を交わしたスタッフ一人ひとりが「Thanks for coming」と微笑む。厨房のオッチャンとも目が合う。微笑む。

「調べたら、コーヒー豆買えそうだったよ」とさっきのスタッフが近くに来たので伝える。「わお、じゃあ俺も買おっかな!家でも飲みたいし」と笑顔。

Chace's Pancake Corral
1606 Bellevue Way SE, Bellevue, WA 98004 

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