OFF TO SEATTLE - 連載「エメラルドシティにまたね」出発日

慌てふためきながら家を出る。それでも美味いものは美味い。小学生の頃から通う近所のうどん百名店で昼食。そのまま成田空港へ車で運んでもらう。有り難い。忙しなさにやられた心に束の間、青空と管制塔がすべてを伝え視界から去っていく。



なぜか月見バーガーを食べながら出国ゲートへ。美味しいけど、なんで今食べてんだっけこれ。8時間だと思っていたフライトは実は9時間半で、正午に向こうに着くと思っていたら実は着くのは午後3時だと知る。



僕の席は両隣が居ないから3席使えますよとお姉さんに笑顔で言われる。3席使いそうってことでその席にしてくれたんですよねきっと。有難うと思いながら、重さを測って預けたはずのスーツケースを持ち去ろうとする私。一瞬前の記憶よどこへ。



空港はいいね。行かないでって言う代わりに大きく手を降る人、連れていきたいよって言う代わりに行ってきますと笑う人。健やかに潔く、出発する人々の美しさ。それを見守る出発ゲートの大きな電子版。抱擁がとても似合う。言葉じゃないね。

San Joseで乗り継ぎ、Seattleへ向かう。
行ってきます。

 

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