【音番地vol.3 スタッフライブレポ】

こんばんは、封灯スタッフの森です。

今回は、2025年6月6日に封灯にて開催した「音番地vol.3」の様子についてご紹介します!

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【音番地とは】
「自由丁」主催の音にまつわるプロジェクトの総称。東京蔵前にある「封灯」を中心に開催される、UNPLUGGED(生音)でのライブシリーズ。
出演していただくのは、自由丁・封灯メンバー自身がファンであったり、繋がりのあるアーティストの方々。今この瞬間をゆったりと味わっていただけるような時間になったり、素直な気持ちになるきっかけを与えてくれたり。ライブが終わった後も、じわじわと心が温まるようなイベントを目指し、開催しています。


▲音番地vol.1 TOMO NAKAYAMAさんとoono yuukiさんをお招きした時の様子

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今回の音番地は、根津まなみさん(Vo.) 井上 惇志さん(Key./PD)によるユニット『showmore』 さんをお招きしました!そして、生音演奏というシチュエーションを最大限生かすべく、チェロ伴奏者の伊藤修平さん、R&B/SOULを軸に活動するシンガーソングライターのZINさんにも共演していただきました。


▲2人組ユニット:showmoreさん


▲シンガーソングライター:ZINさん


▲チェリスト:伊藤修平さん

(実は私自身がshowmoreさんのファンでして。封灯オーナーのしょうへいさんがお店にレコードを置いてくれたのをきっかけに、封灯でshowmoreさんのライブがあったら素敵な時間になりそう!と思い、依頼しました)

このレポを通じて、当日の感動を少しでもお届けできれば幸いです!

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6月6日、ライブ本番から4時間前。

出演者の方々が会場に到着。リハーサルがはじまる。リハといえど、4人で奏でられるメロディーは、お店の外を通り過ぎる人も立ち止まる。私を含めた会場設営していたスタッフの面々も、引き込まれついつい聴き入ってしまう。

「美しいね。美しい。。。」

井上さんがリハの途中に、ふっと放った一言。それを聴いた私は自然と、本場が今聴いていたものよりもさらに美しくなると感じ、鳥肌が立つ。

本番1時間前。
「いやぁ、楽しみだね!」
そう話しながら会場から楽屋へと向かう演者の皆さん。

OPENの18時。
開場前にはすでに多くのお客様がお見えに。

お越しいただいたお客様は各々、席について談笑したり、ドリンクと空間を楽しんだり。(ちなみにワインはVo.根津さんの出身地は山梨から「室伏ワイナリー 共栄堂」さんのワインを。ビールは清澄白河にあるブルワリー「VISTA」さんのビールをご用意しました。お口に合いましたでしょうか?)


▲写真2枚目 
左:共栄堂さんのワイン、右:VISTAさんのビール

ちなみになんと、今回の音番地では、showmoreさんとコラボレーションをして1年後に送れるポストカードをご用意しました!

使用した写真は、シンプルでありながらもどこか魅惑的なおふたりの後ろ姿。お手紙が書ける面には、封灯の消印と根津さんが手書きで書いてくださった譜面を。根津さんの流れるような歌声が思い出され、showmoreさんの世界に浸りながらゆっくりとお手紙を書く時間をお楽しみいただけたらと思い、作成しました。



▲showmoreさんとのコラボレーションしたポストカード。メッセージを書く面には、根津さんが手書きで書いてくださった譜面と歌詞が

そんな想いの詰まったポストカードとドリンクを持ちながら、18時半をすぎると会場中に「あと少し、、、!」というワクワクが漂いはじめる。

18時55分。舞台裏で待機する4人は、落ち着いている様子。
根津さんは歩きながら呼吸を整え、井上さんは時間を気にする私を気遣って「JAZZ界では遅れて開始することも多いんだよ」と教えてくれたり、伊藤さんはチェロの準備をなさっていたり、ZINさんは裏口に置いてある植木の葉を愛でたり。。。緊張していたのは、会場へのドアを開ける私だけのよう…(笑)

19時になり、みなさま、舞台へ。
(無事、私はドアをうまく開けることができました笑)

拍手が鳴り止み、沈黙の中、「スゥ,,,」と息を吸って、根津さんの歌い出しから始まった1曲目。一瞬にして、会場全体が音楽に引き込まれる。

最前列の席は、出演者と1mほどの距離。

「この距離で、生音って、すごい。。。」
こう感じた方は少なくなかったのではないでしょうか。

私自身、よくライブに行くのですが、実は生音ライブは今回が初めてでした。マイクやアンプを通さない音は、演奏者の存在がよりリアルに感じるし、1音1音が目の前で丁寧に紡がれていく姿を見ると、取りこぼさないようにと聴いている方も自然と集中を増してゆく。

ステージ上の4人が明るければ一瞬で明るく、しっとりすれば一瞬にしてしっとりとしていくように、出演者のみなさまとお客さまも一体となって会場の雰囲気を作りあげ、曲を織りなしていく。

また、ライブであり、JAZZだからこそ、その場の雰囲気でアレンジが加わっていく(根津さんの歌い方・井上さんのピアノソロ・伊藤さんのチェロソロ・ZINさんのコーラスアレンジなどなどなど、、、!)。

「生音って集中するよね、お互いエネルギーすごいもん」
ライブ序盤、根津さんと井上さんのMC。
その通りだと体感を持って頷く観客の皆さん。そして私。

その後も演奏が数曲続いたあと、今回の特別企画「あなたのエピソードから即興演奏の時間へ。

この企画はオプションチケットとして販売しており、抽選で当たった方のお手紙がライブ当日に初めて読まれ、その場で音楽を作るというもの。。。(ライブを企画した私たちも、showmoreさんからの即興演奏の提案にはびっくり!その場でお手紙を読んで、すぐ曲が作れちゃうなんて…!)

これがもう、涙。
会場の至る所で、涙を拭く姿や鼻をすする姿がみられたので、きっと涙をこぼしたのは私だけじゃなかったのでは、、、。


▲エピソードを読み、内容の温かさに涙をこぼす根津さん

エピソードは2通。
1通目は、ご夫婦でライブにいらしていて、なんとライブ当日が奥さまの誕生日という方から、奥さまへお祝いと日頃の感謝を綴ったお手紙。根津さんの「Happy birthday to you - 」という歌い出しから始まり、井上さんの繊細なピアノ、ZINさんの優しいコーラスと、伊藤さんの伸びやかなチェロが重なり合っていく。次第にアレンジが加わり曲も盛り上がる。

- いつもありがとう -

- お父さんお母さんだけど僕にとって君は大好きな彼女 -

- 可愛いあなたに愛を伝えたい -

- 誕生日おめでとう -

愛のこもった温かい歌詞が音に乗って響く。なかなか言えないけれど心のどこかで思っている言葉たちが、音楽として昇華されていく、まるで映画のワンシーンのような時が流れる。

2通目は、テイストが変わり「愛とは何か」を問うエピソード。「これは言葉はいらないかもね」、そう根津さんが言って根津さんのハミングに合わせて、井上さんのピアノに伊藤さんのチェロ、そしてZINさんがコーラスでハモっていく。「言葉」を音楽と共に届けた1通目と打って変わって、「言葉」を使わずに届けていく2通目。

私自身今まで、物事を「言葉」として伝えることを優先的に考えがちな自分がいたけれど、言葉がないからこそ伝わるものもあるのだと、優しく思い知ることのできたひと時だった。

- 愛とはなんだ -

- 愛とはなんだ -

呟くような歌声が最後に繰り返されて、演奏が終わる。

「愛とはわからないけど」

そう根津さんが口にして、
「愛はどこまで続くの 分からないね」と歌い出す一曲、『I』が始まる。

この流れには、「もう鳥肌!最高すぎないか!」と内心叫ぶ私。
即興演奏とは思えない、この流れ。

涙。


時間はあっという間に1時間半を超え、ライブ本編ラスト曲へ。

最後は「circus」という、showmoreさんの代表曲。私にとっても、showmoreさんを知った曲であり、自分を投影させて何度も聴いた思い入れの強い一曲。
ラスト大サビはみんなで大合唱。


▲談笑を交えながら始まるラスト曲



普段はゆったりと静かな時間が流れる封灯という場所だからこそ、いい意味で新鮮に、鮮明に映る。響く。

曲が終わり、拍手を背に演者の方々が退場。姿が見えなくなった瞬間から、アンコールを求める拍手がはじまる。会場の外ではshowmoreさん、ZINさん、伊藤さん各々が口々に、「最高だ!」「めちゃくちゃいい!」と素敵な笑顔を浮かばせながら、すぐに拍手の元へと向かう。


▲アンコールで登場する出演者のみなさま

アンコールは、showmoreさんとZINさんが共同制作した一曲「in the mirror」。

根津さんの繊細で力強い歌声に、ZINさんの儚く優しい歌声。


▲ソロパートを歌い上げるZINさん

井上さんのピアノと伊藤さんのチェロが、2人の歌声をさらに色付ける。最後は、根津さんとZINさんのハモリで終わる。


一瞬、息を飲むかのように沈黙があり、大きな拍手が会場中に。

終演後、「すごかった、、、」と感想を語らいながら、ポストカードに感想を書き留めるお客様。
「何度も泣きました」「今までの人生で間違いなく指3本に入るライブです」「お店も、ライブも、企画も、全て素敵でした」などなど、私は会場の外にいたのですが、帰られるお客様から、本当に有り難い感想の数々をいただきました。


▲ライブ終演後、グッズを見たりお手紙を書いたりするお客さま

自由丁・封灯は、オーナーのしょうへいさん、店長のゆうきさんの2人が立ち上げた「素直な気持ちと日々を味わう」をコンセプトとしたお店。これまでも、お二人の繋がりを中心として、様々な企画を行ってきました。しかし今回のライブは、私の個人的な「やりたい!」からはじまったイベント。お二人は「やろう!」と了承してくれたものの、いちスタッフである私でいいのか、スタッフの繋がりはじまりでうまくいくのだろうか、、、と、楽しみであると同時に、不安も。

でも、ライブが終われば、「あぁ。よかった、、、」と喜びで満たされた自分がいました。

忙しない日々の中で忘れがちな、素直な気持ちを味わうことや、相手の素直な気持ちを受け入れること。これを「言葉」と「音楽」を通じて肌で感じた今回。

封灯だからできたこと、showmoreさんZINさん伊藤さんだからできたこと。。。
そんなライブに興味を持ってくださった一人ひとりのお客様。

本当に、ありがとうございました。
言葉では簡単だけど、この溢れる感謝が届きますように。

最後まで読んでくださったあなたの今日も願わくば、
have a good day !!

 

自由丁・封灯スタッフ 森さくら

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