今朝の落書き

オーナー小山が日々書く詩やエッセイ
考え事、悩み事の言葉たち

静かな音

静かな水面のような小道を歩いていました
ただ私の足音がほんの少し揺らすだけの
止まっているかのような景色に囲まれていました

何やら難しいことを考えることすらも
その水面を揺らしてしまいそうで
岩陰に隠れて眠っていた魚たちを起こしてしまうんじゃなかろうか
止まっていたはずの景色に
人知れず佇んでいた鳥たちを驚かしてしまうんじゃなかろうか
そんな不安がよぎるものですから
ただ静かに
なるべく無心で足音だけになろうとしました

無心を前にすると
もれなくすべて
邪念になるようです

音もなく降った光が霜を溶かし
そんな教えと共に
私の元へと優しく伝ったようでした

たった一つの足音がする
それだけが私の存在を世界に伝える
その頼りなさをとても愛おしく思えました

生まれた時からだんだんと消えていく響き
水面を小さく揺らすその存在が
とても尊く思えました

砂利道だけが私をよく知る友のように
寄り添い同じ歩幅で歩いてくれました

ふいに鼻のあたりがむずかゆくなり
くしゃみをしました
すると向こうの山で小鳥が飛び立つ音がしました

私は今日も自然へ伝わっていく
そのことをよく忘れてしまいます

からっぽで
邪念すらも重くて持てない
やわらかい私が歩いていきました

ただ素晴らしい
静かな心地の中でのことでした

本日も読んでくださりありがとうございます。自然の中へいくと、何も音がしないことに驚き、喜ぶ自分がいます。美しい無音に聴き入る自分がいます。同時に、どれだけの音に囲まれ、揺らされている毎日なのだろうと思います。なるべく、自分の音がちゃんと聴こえる楽しさを忘れずにいたいなと思っています。

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