ROSE&LETTER (白)

彩り豊かな白

混じり気のない白さを
時折望む育った心

果たして
限りなく純粋な白色は
この世界に自然と生まれうるのか
私は果たしてその白との出会いを望むのか

受けた光の全てをそのまま返して
私の瞳へ届けてくれる
ただ真っ新な白い景
何も書き込まれることを
描きこまれることを望まぬようにこちらを見つめる白い色

そんな景色に思いを馳せては
薄い赤と緑に色づいた白さを纏った薔薇を眺めて
深く呼吸し心を白く軽くする

優しい赤に染まった白い頬
強い日差しに照らされ溶ける白銀の世界

何度だって広げては書き直し
望む未来を七色で描いた
今までが染み込んだ
心の内の白地図

例えばそんな
生まれた時から今を経て
未来に向かう道すがらにて出会っただろう
白い景色たち

今の私にとっての白とはつまり
今までの私が出会った白たちによってしか
知り得ないのだとしたら

私にとっての白とはきっと
純粋な白とはきっと
この人生の
酸いも甘いも多分に含んだ
豊かで色鮮やかな白なのかもしれない


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