今朝の落書き

楽しみにしていた映画を観た帰り道
余韻に浸りながら電車に揺られて
感じたすべての理由に連なる言葉を探す

座っている名も知らぬ誰かと
目が合い逸らす
その理由を見つけるために
言葉の森を彷徨うのはさすがに億劫だ

窓に映る自分の
やけに退屈そうな顔を眺めて
探すのをやめる

少し涼しくなった夜の道をのんびり歩く
いつもよりゆっくりな速度
小さな歩幅
返したいのに返していない連絡たち

すべての理由に言葉をつける必要なんて
本当はこれっぽっちもないのだろうし

言葉も理由も
要らないものはぜんぶもれなく
この暑さで溶けてしまえばいい

そうしてああ
ぜーんぶ夏のせいにして
のんびりのほほん
「暑いねえ」って
ただただ笑い合って居たいだけの
僕であなたで在れたなら

欲しい理由だけを言葉だけを
探して掬って
綴って喋って歌って
届ける

それだけで
きっと

本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。喋るように歌う人がいるのだから、歌うように書く人がいたっていいだろう。これは今日の余韻の中から見つけた言葉。歌うように綴るなら、綴る理由なんてものも要らないように思えてくる。歌いたいから歌うように、書きたいから書くわけだものね。