世の中はうたで溢れています
緑の中に春をあなたが見つけたとき
そこに確かにあるように
風の中に自由をあなたが見つけたとき
そこに確かに感じるように
ここにも
そこにも
うた
音のない部屋であくびをするとき
夜中に布団から抜け出すとき
ポロンポロンと言葉のかけらは生まれ落ち
私のあとを転がります
あらまぁと拾い上げ
ポケットにしまいます
するとツラツラと続く言葉が顔を出し
あっという間に膨らんで
ずっとそこに隠れていたうたがこちらをそおっと覗くのです
長いあいだ
世の中にいなかったのは私の方で
うたはずっとまんべんなく
ここにもそこにも
今ものんびりしているのです
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