中学生の頃、同級生が聴いていた音楽。その声の主が、二十年後の今日、僕のお店にライブをしにやってくる。
そのミュージシャンが居なければ、その同級生が居なければ。そして僕が居なければ、今日そんなことは起こり得ないし、各々が各々に、唯一無二の二十年を過ごしたからたどり着いた今日なのだとも言えるかもしれない。
そんな話を昨日、その同級生が言っていて、確かになぁと思って寝た。
翌朝、歯を磨きながらぼんやりと、さぁて準備しに行くかぁと思っていた。
夜6時半開場のために、僕らは午前中からせっせと準備する。そんなこと言ったら、もう何日分、準備の時間があっただろうか。もう何ヶ月前にこの話をしはじめたんだっけか。そしてそう、何十年前に僕は、僕らは今夜響く歌声に出会ったんだっけか。
二十年前から準備してきました、とは流石に言わな...