ベンチは自分を定数にしてくれる
最近よく、というか比較的僕はよくベンチに座る方です。
お店の前にもそのうち小さなベンチを置けたらいいかもな、なんて思ったりもしています。
ベンチに座るということは、少し大袈裟に言えばその定位置から世界を見渡せるということでもあります。
座ってみるとよくわかりますが、人は動いているし、草木も風に吹かれて多かれ少なかれ揺れているし、この季節だと蚊とか蝉とかも飛んでくるわ鳴いているわ、です。
何が言いたいかというと、世界は動いている、ということです。
そして往々にして僕等は歩きながらその、動いている世界を見ている、見ようとしている。
例えば向こうからAくんが時速何キロで進んできていて、私はAくんに向かって時速何キロで歩いていて、あと何分後に二人は出会うでしょうか、なんて卓上で計算させられたことのある状況が、尽く毎日目に飛び込んでくる。
街ともなればそれも同時に何十、何百もの人が車が動いていて、その中を僕もあなたも歩いていく。
そんなの、それだけで疲れちゃう。だからベンチって、いいなとも思うわけです。
雑多な世界の中で自分という変数を定数として、見渡す、捉える、考える。
そういう機会を忙しない日々の中で与えてくれる、ベンチという存在。
とても良いやつだなと、思うわけです。
これも何を隠そうベンチに座って、時折道行く人を車を眺めつつ、書いています。
本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。カフェでひとり、外を眺める時間にも、同じことが言えそうです。ベンチでカフェで、世界を定点観測する。多すぎる変数の中で自分だけは定数であろうとする。束の間の、変わらない自分。
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