愛だ恋だと
例えば全人類を、例えば森羅万象を愛して生きていくには、自分という存在が全人類が如く多様で、森羅万象のように多種でなければ到底無理な話なのではないかと思う。
好き嫌いが全くない人というものが居たとして、果たしてその人は万人を愛せるだろうか。
好きの上位概念としての愛しているだとするならば、それは到底無し得ないことだろうし、好意とは全く別の意志だとしたところで、先の定義の人に果たして、伝えた愛を受け取ってもらえるかは疑わしい。
愛は一方的なものだという人もいるが、果たしてそうだろうか。向けた相手に受け取られなくとも、関係のない誰かがそれを見て、もしくは聞いて、「それは愛だね」なんて言ってくれたらそれでそこには愛があり、愛しているという行為になりうるのだろうか。
そしたらそんなの、言ったもん勝ち、言われたもん勝ちじゃないか。愛ってそんなもんだったっけか。
つまりは愛という言葉を深く深く扱って、極端な話、一生に一度か二度しか愛の言葉を使わない人よりも、愛という言葉に慣れ親しんで、軽やかに使い回して言い重ねていく人のほうが、よい人ということだろうか。
いずれにしても、愛ほどに不確かで、不明瞭な、それでいて大勢が使う言葉は無いなと思う。
恋なんて、いわばエゴとエゴのシーソーゲームと歌った人は本当は、愛だってそうだろうにと叫びたかったんじゃないだろうか。
本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。愛だ恋だと叫んだって、所詮は僕らアニマルなんだと知らない人の言う、愛だ恋だに惑わされぬよう生きるには。
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