詩について、あるいは
書こうという意識もなく書きはじめる。無自覚なまま思い浮かぶ言葉を無くしたくなくて書き留める。自然な始まりであって欲しいと願いながらただその時を待つ。
あ、陽が出てきたねと呟くみたいに。無気力に雲を意識し始めるように。一切に淀みなく力むことなく、ぽつりぽつりと浮かび始める単語を待つ。
言葉に一つの意味をなるべく紐付けず、単語帳のように分厚い辞書をあつらえる想像などせず、ただ今日は今日の、明日は明日の、私を流れていく言葉のいくつか、文字のいくつかを掬う。
意識が見つける程度のものたちよりも遥かに、無意識が見つけてきてくれるものたちの底知れぬ雄大さ、儚さに頼るからこその、無限を感じる。無地の紙を撫でる。書く。
驕りもなく、見栄もなく、私の自然をどうぞと言われているようなものを読む喜びを知っている。その難しさを知っている。
神社にて賽銭を投げ、手を合わせたときに求める無心。あの心持ちで書き始めたいな、などと思ったりしている。これがまたとても難しい。
本日も読んでくださりありがとうございます。詩について、言葉について語ることの難しさたるや。
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