物が開く記憶
朝六時に起き、ダラダラとシャワーを浴びる。まだ終わらない洗濯物たちをたしなめ、こちらもまだ整理が終わらない部屋を眺める。
窓を開ける。まだ静かな街を歩いていく人がちらり、ほらり。
掘り起こされた数多の物を手に取り、何処に仕舞おうかと思いつつも、これはあのときのだなとか、毎回のように思う。
捨てられないものが増えていくのは、僕にとっては嬉しいことだ。けれど部屋にとって、世界という現状有限の広場にとっては、耐え難いことだ。
覚えてはいるけれど、自分ひとりでは思い出せないことばかりの僕のような人間にとって、物は思い出すきっかけをくれる鍵のようなものに思える。
だからこそ、僕のような人間が少なくあってほしいものだと、世界の容量を思い、強く思う。
いうなれば僕は巨大な、何万何千、いや何億とある、鍵付の引き出しが並んだ棚の前に立っていて、その中には確かにいつかの何かが入っているのを知っている。
知ってはいるものの、日々増えていく引き出しを気にしている余裕もなく、僕は、僕らは思い出せなくなっていく。
そんな日々にとって物とは、どの引き出しに何が入っているのかを示す鍵だ。
「あぁこれはあのときの」とか「うわーあったあった」とか。既に数多あり、更に日々増え続け、大きくなり続ける棚の何処かに眠る思い出を引き出させてくれる鍵、としての物。
とまぁ正当化してみたものの、これ、これら、増え続けていくのはどうしたものかと思いつつも、なんだか増えていくにつれてできることも増えていってくれている気もしてしまい、何はともあれまずはちゃんと整えようと、やはりどうして、思うのでした。
本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。あと一息、です。そんでもって本日も、早寝早起、でした。寝起きの辛さはどこへやら。けれどこれがまた、誰か何かに強要されると、難しいんですよねぇ。
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