今朝の落書き

オーナー小山が日々書く詩やエッセイ
考え事、悩み事の言葉たち

はじめましてという言葉

ミストのような雨だ。街灯に照らされた雨粒たちをぼんやり眺めてそう思う。

おそらく昔、何度か会ったことのある人に今日、はじめましてと言われた。

はじめましての方が確かに楽だなとも思って、ゲームのリセットボタンを押すように、スマホに溜まった昔のメールを一括削除するように、はじめましてという言葉を僕も受け入れた。

自分のことをふと、良くも悪くも「美しく散らかった部屋」のようだと思った。いや、人によってはただ散らかっているだけの部屋に写る人もいるかもしれない。

積み上がった本たちの山がいくつか、床にも机の上にもあり、本棚は埋まり、白く広い壁には一面にアートやポスター、いつかどこかの旅先で貰ってきたのであろうショップカードにレシートたち。アクセサリーや手紙なんかも所狭しと飾ってある。窓は大きく、広い空だけが見える。机の上には飲みかけのコーヒーが入ったマグカップが、本や資料の間から顔を覗かせ、同時にパソコンがその近くにあることも教えてくれている。

きっと僕に限らず、人ひとりの部屋には沢山のものが散らかっていないにせよ収納されていて、日々入れ替わったりもしていて、その全て一つ一つを含めてようやく、ひとりの人の今この時の輪郭が立ち上がるのだろう。

そういう意味では、同じ人に会うとしても「はじめまして」と声を掛け合うのは、別におかしなことでもないのかもしれないとも思えてくる。

本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。いつも一緒に居る人にだって、もしも新しい一面が垣間見えたならそれは紛うことない「はじめまして」だろう。

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