今朝の落書き

オーナー小山が日々書く詩やエッセイ
考え事、悩み事の言葉たち

伝えたいのは言葉ではなく

かなり悪い夢を見て、逃げるように目覚めた。
早く忘れてしまいたい一心で、画面の中で誰かが話す面白い話や犬や猫たちの優しい光景を布団の中からしばらく眺める。

窓の外では雨が強く強くなっていく。
起き上がり、キッチンへ向かい、お湯を沸かす。

いくつかの珈琲豆から、ほとんど無意識のうちに一つを選んで挽く。

お湯が沸くのを待つ間、読みかけの本を開く。
ようやく段々と夢から覚めていくのが分かる。

お湯が沸く音がして、火を止める。
髪をかき上げ、短パンにTシャツ姿の寝起きさながらのまま、珈琲を淹れる。

実際に見たならば、きっと誰の目にも美しくは映らないだろう僕の朝。当の本人も最悪な気分をなんとか和らげようとしている朝の風景。

文字に言葉にしたならば幾分かマシに感じるのは、文字では言葉では抱えきれない風景がそこに確かにあるのだという証のようにも、思えてくる。

珈琲の香りと共に読み進める本の言葉のリズムに合わせて、昨夜の思考の続きが巡り始める。

雨音が、響いている。

本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。例えば伝えたいことが何か心の内にあり、それを一言で表したり端的にいくつかの言葉で伝えようとしたとして、その言葉たちは、心の内にあった何かを、果たしてどれくらい等しく正しく、表せているのだろうか。伝えられているというのだろうか。今日も今日とて書きながら、言葉の力を過信してやしないだろうかと自分に問う。

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