今朝の落書き

オーナー小山が日々書く詩やエッセイ
考え事、悩み事の言葉たち

セントエルモの火

誰かに向けて「大丈夫?」と声をかけるとき、大抵の僕は私は、その誰かが大丈夫なわけがないと知っている。

知っていて尚、そうやって声をかけるのは、僕の怠惰かそれとも語彙の足りない私の出した最善か。

いずれにせよ数多の臆病な思考を飛び越えて、躊躇う悩ましい自分を追い越して、声は確かに、文字は確かに、大丈夫なはずのない人の元へと送られる。

何ができるわけでもないけれどただ、「私はあなたを支えるよ」と、支えになれるかもわからないまま、けれどもただ確かに、「あなたのことをちゃんと思っているよ」と伝えるための、「私はここにいるよ」と伝えるための、それは合図のようなものかもしれない。

答えなくてもいい 。
何も言ってくれなくて大丈夫。

「言いたいことはないよ、聞きたいこともないよ、ただ届けたいことなら、ちょっとあるんだ」といつか歌ったバンドマンの気持ちが、今なら少しわかったような夜と朝の間。

答えの要らない問いをただ、言葉の形をした合図をただ、その向こうへと送る。

届いてくれたらいいなと、願いながら。

本日も落書きを読んでくださりありがとうございます。心配するにせよ、されるにせよ そこに言葉はあまり要らないのかもしれない。

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