エッセイの夜明け
エッセイという言葉を、最近よく見かけるようになってきた。
元々使い勝手がいい言葉だとは思っていたが、ようやく少しずつ市民権を得てきたような、使っても恥ずかしくなく、読む側も「あぁエッセイね」となんとなくでもすんなり受け取れるような言葉になってきたんだろうなと思う。
エッセイは、誰でも書ける。
「そんな馬鹿な」と思う方もいらっしゃるかもしれないが、そんな方でも、きっと書ける。
エッセイは、隨筆といわれ、自分の思ったこと、感じたことを書く行為によって生まれる文章のことをいう。そこには文体のルールもヘッタクレも無く、何なら意味が通じていなくたって、それが書き手の思ったことならエッセイだ(と少なくとも僕は思っている)。
雨だ。寒い。にせよ、
夏だ。可愛い。にしても、
白いシャツを着ている人が、明るく見える。だってエッセイだろう。
そもそも言葉とは、人類の歴史の果てに、ほぼ全ての人々が手にすることができるようになった表現方法だ。
僕らには、言葉がある。
それの良し悪し、社会的評価という名の小さな小さな物差しの外側に今、言葉がエッセイが、人々の気持ちたちがようやく溢れ出し始めたのかもしれない。
情報過多の時代から、気持ち過多、情緒過多の時代へ、僕らはいつの間にか流れ着いていたのかもしれない。
本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。「誰もが表現できる時代」になったんだともう十年以上前に見聞きしたけれど、今ようやく、「誰もが表現する時代」になってきたのだと思えて、夜明け前の静けさが如く、純真無垢に光る言葉たちが世界に射すのを待っている僕です。
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