今朝の落書き

オーナー小山が日々書く詩やエッセイ
考え事、悩み事の言葉たち

見て見ぬ振りをできるのは

別に逃げたかったら逃げればいいし、隠したかったら隠せばいいし、見て見ぬ振りをしたかったならすればいいと思うんです。

ただ、自分は一体何から逃げるのか、何を隠すのか、何から目を逸らすのか。それは忘れようとせずちゃんと、ちゃんと覚えておいた方がいいんじゃないか。自覚しておいたほうが方がいいんじゃないかな、と。

逃げることで成長することだってあるし、隠すことで心が鍛えられることだってあるんだと思うし、目を逸らしたその先で出会う眼差しだってあるんだと思うわけです。

ただなるべく、全ての出会いを別れを失敗を成功を怠惰を至福を、無かったことにしようとしたり、忘れてしまおうとするのは、なんだか勿体無いような気が、する。

記憶自体が朧気になったりあやふやになったりはしても、その時間を確かに生きたことを、寿命の一時を費やしたことを、忘れるのは勿体無いよなぁ、と。

道端の自販機でなんとなく買った缶コーヒーが美味しくなくて、その味まで覚えていなくたっていいけれど、そこで費やされた120円分の思い出くらいは、感覚くらいは、なんとなくでも心の何処か、思い出の遥か彼方の隅っこにでも、残ってくれていたらいいな、みたいな。

今までに歩いてきた名もなき全ての路地裏たちにしたって、そうだったらいいなって、思ったんです。

本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。忘れるのは覚えていたから。隠せるのは顕だとわかっていたから。見て見ぬ振りをできるのは、ちゃんと見たから、なんですよね。

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