静かな水面のような小道を歩いていました
ただ私の足音がほんの少し揺らすだけの
止まっているかのような景色に囲まれていました
何やら難しいことを考えることすらも
その水面を揺らしてしまいそうで
岩陰に隠れて眠っていた魚たちを起こしてしまうんじゃなかろうか
止まっていたはずの景色に
人知れず佇んでいた鳥たちを驚かしてしまうんじゃなかろうか
そんな不安がよぎるものですから
ただ静かに
なるべく無心で足音だけになろうとしました
無心を前にすると
もれなくすべて
邪念になるようです
音もなく降った光が霜を溶かし
そんな教えと共に
私の元へと優しく伝ったようでした
たった一つの足音がする
それだけが私の存在を世界に伝える<...