今朝の落書き

あなたに出会うずっと前、私の言葉を受け取ってくれた人がいました。世界で他に誰も、その言葉を聞いた人すらいない、生まれたての言葉でした。

あなたに出会う少し前、私から受け取った言葉はその人の中で育ち、新しい人へと届きました。もう私だけの言葉ではなくなりました。

やがてあなたに出会いました。あなたの言葉は私にとって、とても馴染みのある、故郷の香りのような心地がしました。私がいつかの夜更けにたった一人に渡した言葉の面影が、そこには確かにありました。

遥かなる旅をして、私の元へとある日帰ってくる言葉があります。それも、とても素敵な人を連れて。私はずっと、その帰りを待ち、再会を、出会いを夢見る儚い一人です。

いつかの孤独な私の言葉が、私たちの言葉になり、今日もまた、世界のどこかで、或いは私の目の前で、私たちの場所で、新しい人にとっての大切な言葉になる。

その神秘と幸運を目の当たりにした、これはかつて私の話だった、私たちの話です。

本日も読んでくださり有り難うございます。本年も誠に有り難うございました。巡り巡って、あなたがちゃんと優しく、大切に言葉と共に旅してきてくれたからこその、私であり、私たちです。来る年もよければ一緒に、何卒どうぞよろしくお願いします！