アラームにしている音楽が何度目かのイントロに入ってようやく、朝が来たのだと目を覚ます。
そのまま部屋のスピーカーでその曲を流し始めて、起き上がり部屋を出る。
顔を洗い、歯を磨き、着替える。
音楽はすでに次の曲に変わっていて、
時間の流れの早さを遠巻きに感じる。
冷蔵庫から麦茶を取り出し、
二杯ほど飲む。
冷たさが身体を満たす。
静けさに耳を澄ますように息をする。
ただ緩やかに佇む心と、
進み続け動き続けたい心意気とが、
共に麦茶を飲み過ごす。
これこそが私なのだと言える端的な言葉を持たずとも、それこそがあなたでしょうと認めてもらえる生き様もあるのだと、ぼんやりと思い出す。
この掌は確かに私で、
ここから生まれる全ては確かに私らしさを纏...