詩人・自由丁オーナー小山将平が、未来の自分へ送るように、日々の気配を手紙に綴るように、詩的な言葉たちを日本語と英語にてお届けする連載「宛先は、わたし」。ポストカードに綴られた詩が届く郵便箱みたいな場所になったら。

以前の連載「今朝の落書き」は
こちらからお読み頂けます→

夜にしか

夜にしか

夜にしか聞けない話が聞きたくて

たまらないから朝が顔を今日も出します

その頃にはもう みんなして静まりかえって

またどこか遠くの夜へと

旅に出てしまうから

朝はまた 夜にしか聞けない話を何ひとつ知りません


けれど朝には朝にしか聞けない歌があります

陽が出はじめる頃

彼ら彼女らがはじめる歌です

その歌を聞くとたちまち

夜のことなど忘れ

幸せな気持ちが朝を満たします

その歌に合わせるように

多くの人が目覚め

新しい話を朝に語り始めてくれます

朝はそのことがとてもうれしく

明日もまたここへこようと思うのです

 


この一篇について

Q. どんなときに書いた?

内房から海の先、三浦半島に沈んでいった夕日の後に。

Q. この詩を曲にするなら?

JAZZYなバラード、静かな歌声で