何もする必要のない日々のことをふと思い出してみたものの、脳裏にすぐさま「そもそも、何かをする必要が本当にあった日々などあったんだろうか?」という問いが浮かんだ。
今までやってきたことも、やらねばならぬと思って必死になって汗と涙を垂らして乗り越えた壁たちも、果たしてそもそも、本当にやらねばならなかったんだろうか。乗り越えなければ、その壁の天辺から空を眺めてまた歩き出さなければならなかったんだろうか。
「人生に意味なんて無いんだよ」と僕の目を見て語ってくれた友の瞳を思い出す。
縛られているようで、決められているようで、僕らが悩み苦しみ向き合い越えていこうとする殆どの物事は、そうじゃないんじゃないか。そうじゃないんだろうなと、今ようやく友の言葉がゆっくりと腑に落ちていく。
わからなかった言葉が、いくつかの段階を経て自分の中に染み込...