朝起きて、夜の間に自由気ままに飛び跳ね踊った髪と共に立ち上がる。
七月があっという間に過ぎ去ったということは、僕の髪もあっという間に一月分また伸びたのだということなのに、どのくらい伸びたのかもはやよくわからない。
色んな人にプロレスラーかよとか、ギタリストみたいだとか、アーティストの風格が出てきたねとか、モヤさま観ましたよって言われるたびに、プロレスはよくわからないから技の名前一つも答えられないやとか、ギタリストってあれやろクイーンのギタリストのことをイメージしてるやろとか、モヤさま観ましたよってもはや僕ではなく僕の髪を観たって話だろうかとか、他愛もない軽い返しが頭をよぎって勝手にひとり笑いそうになる。
もう少し伸びたら、髪の重さでもうちょい広がらなくなるんだろうかとか、サラサラでペタっとした長く美しい髪の女性を見かけると、「それ...